10年以上の長期にわたってベーコンやソーセージ、サラミなどの肉加工製品や牛肉・豚肉などの赤身肉を多く摂取した人は、遠位の大腸癌リスクが約1.5倍に増加するようだ。これは、American Cancer SocietyのAnn Chao氏らが、約15万人を対象にした追跡調査で明らかにしたもので、米医師会誌のJournal of American Medical Association(JAMA)誌2005年1月12日号に掲載された。被験者数が多く、また長期の摂取について調べた研究である点が珍しい。
 Chao氏らは、50~74歳の14万8610人を対象に、肉類の摂取に関する質問を、1982年と1992年または1993年に行い、その後2001年8月まで追跡して大腸直腸癌の発症について調べた。
 その結果、1982年と1992/1993年の両調査時点で、肉加工製品の摂取が多い方から3分の1の群の人は、摂取が少ない方の3分の1の群の人に比べ、遠位の大腸癌の発症するリスクが1.50(95%信頼区間:1.04~2.17)倍と有意に増えることがわかった。
 また、魚や家禽類の肉の摂取量に対して牛肉や豚肉など赤身肉の摂取量の割合について見てみると、同割合が大きい方から3分の1の群では、同割合が小さい3分の1の群に比べ、遠位の大腸癌を発症するリスクが1.53(95%信頼区間:1.08~2.18)倍と有意に増えることが明らかになった。
 一方、魚や家禽類の肉を長期間多く摂取した人は、近位・遠位の大腸癌の発症リスクが減少する傾向が見られた。
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