もっとも、解析に携わった田島氏は「主に重症患者の検体を中心に解析しているため、一般の医療機関の耐性率よりも高い数値となっていると思われる。実際の耐性率は、約4~6割程度ではないか」と話す。
今のところ、この耐性化が流行拡大の原因かどうかは明らかになっていない。だが、札幌徳洲会病院小児科医長の成田光生氏は「耐性化によって治療に難渋することが増え、感染者の咳などによって流行が促進されたのではないか」と話している。
【点突然変異で耐性を獲得】
今回の耐性化は、マクロライド系抗菌薬が結合する23SrRNAのドメインV内の遺伝子に点突然変異が生じて、蛋白合成が阻害できなくなったことによるものだ。
この変異によって、マクロライド系抗菌薬の効果が得られない場合、小児ではテトラサイクリン系抗菌薬のミノサイクリンが使われる(症例1)。しかし、8歳未満の小児には、歯牙や骨への影響があるため、抗菌薬の選択では意見が分かれている。
成田氏は「マクロライド系のクラリスロマイシンを15~20mg/kgと多めに4日投与し、熱が下がらなければミノサイクリンを3日間処方する。7日間以内の投与であれば副作用の可能性は少ないだろう」と言う。
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