2012年1月20日金曜日

急性脳卒中とビタミンD2 【世田谷 歯科医院】

年間を通じて、急性脳卒中患者の25OHDレベルは健常な高齢者より低く、ビタミンD不足を示す人の頻度は高かった。今回は、特定の患者に対象を絞ったが、臨床現場における脳卒中患者のビタミンD不足は、広範に見られる可能性がある。

なお、25OHDの半減期は約3週間だが、今回、脳卒中発症からの経過時間と25OHD値の間に関係は見られなかった。したがって、患者の多くは発症前からビタミンD不足だった可能性がある。著者たちは、ビタミンD欠乏が脳卒中の危険因子であるかどうかは今後調べる必要がある、という。

また、発症後は、障害が残れば日光に当たる時間は減少し、食事の内容が変わる可能性もある。ビタミンD不足を加速する要因は増えると考えられる。しかし、急性脳卒中患者に対するビタミンD補充の利益を調べた研究は行われていないという。

先頃、骨量減少を予防する目的でビスフォスフォネートを静注すると、ビタミンD欠乏患者は、低カルシウム血症を起こすリスクが高いことを示す症例報告がなされた。急性脳卒中後の患者にビスフォスフォネートを投与する場合には、事前にビタミンD値を測定する必要がある、と著者たちは述べている。

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