2012年1月20日金曜日

葉酸の積極的摂取で高血圧発症が予防 【世田谷 セラミック歯科】

比較的若年の女性では、葉酸の積極的摂取により高血圧発症が予防できる可能性が出てきた。米Harvard Medical SchoolのJohn P. Forman氏らがプロスペクティブに8年間追跡した結果で、米国医師会誌のJournal of American Medical Association(JAMA)2005年1月19日号に掲載された。
 
 Forman氏らは、女性看護師6万2260人を対象としたNurses Health Study I(33~55歳)と同様の9万3803例を対象としたNurses Health Study II(25~42歳)において、試験開始時の葉酸摂取量(質問表より算出)により6群に事前層別化を行った(したがって背景因子は6群間に差なし)。

 8年間の高血圧発症リスクを交絡因子を補正後、1日葉酸摂取量200μg未満の群と比較すると、Study Iでは、葉酸摂取量が増加すると高血圧発症リスクは低下傾向を示すが、有意な低下となったのは1000μg以上摂取群(相対リスク:0.82、95%信頼区間:0.69~0.97)のみだった。

 一方、より若年を対象としたStudy IIでは200~399μg摂取群ですでに低下傾向が認められ(相対リスク:0.91、95%信頼区間:0.83~1.00)、400~599μg摂取群では有意にリスクが低下した(相対リスク:0.81、95%信頼区間:0.72~0.92)。さらに、Study IIにおいて1000μg以上摂取していた群では高血圧発症リスクは0.54(95%信頼区間:0.45~0.66)まで低下していた。またStudy IIでは葉酸摂取量増加に伴い高血圧発症リスクが低下するという有意な傾向も認められた(p<0.001)。
 
 高血圧発症は年齢の影響を受けるため、Study IIの参加者を試験開始時「35歳以下」、「36~40歳」、「41歳以上」に分け、葉酸摂取量と高血圧発症リスクを検討すると、若年ほど葉酸摂取増加によるリスク低下が有意に大きかった(p<0.01)。一方、33歳以上を対象としたStudy Iでは、年齢と葉酸摂取による高血圧発症リスク低下作用に相関はなかった。

 Study IIにおいて葉酸による作用と有意に相関していたのはBMIである(p<0.001)。BMIが25以上の群では葉酸摂取による高血圧発症リスク軽減はほとんど認められない。逆にStudy IではBMIとリスク低下に有意な相関はなかった。
 
 葉酸は各種レバー、緑黄色野菜、緑茶などに豊富に含まれているが、いずれも米国人が好んで摂取する食品ではない。かつてあったように、葉酸サプリメントに殺到するのだろうか。

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