水や歯磨き粉が不足する避難所生活でどうしたら口の中を清潔に保てるのか。
予防歯科に詳しい倉治ななえ・日本歯科医師会常務理事(56)に聞きました。
口の中は雑菌でいっぱい。
食べ物や水が誤って肺に入ると、細菌が増殖して肺炎を引き起こすこともあります。
口のケアを欠かさず唾液を十分に出すことがポイントです。
歯磨き粉を2センチぐらい乾いた歯ブラシにぬりこみ、気になる部分から磨いてください。
泡立つまで時間がかかるため長く磨けます。
すすぎは1回、10CCの水で30秒間すすいでください。
歯ブラシがすすげない場合はふきとるだけでもかまいません。
避難所では「入れ歯ケースがない」「余震が不安で入れ歯が外せない」という話も聞きますが、1日1回は外しましょう。
洗浄剤が使えないのであれば、ぬれたタオルあるいはティッシュでふき取ってください。
食事の最後には水かお茶を一口含み、強くぶくぶくしてください。
高齢になると唾液が少なくなり、のみ込む力が弱くなるため誤えん性肺炎の危険が高まりますが、ほっぺたをふくらませる運動が効果的です。
右のほっぺたを風船を作るように膨らませ、次は左、そして前にも風船を作ってみましょう。食前に唾液が出ているとのみ込みがスムーズです。
唾液を出すためには、耳たぶの下あたりやあごの下あたりを指でマッサージするのも効果的です。
日本歯科医師会では被災地に歯ブラシ20万本など支援物資のほか歯科医師を派遣してきました。協賛企業の協力を得ながら、よりきめこまかなニーズに応えていきたいと思っています。
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