ウイルスの複製にかかわる分解酵素のはたらきを阻害する新薬が開発されたというお話。
C型肝炎ウイルス(HCV)は重い慢性肝炎を引きおこし、世界中で1億7000万人以上の感染者がいるといわれています。
そのHCVがもつNS3タンパク分解酵素は、ウイルス複製に中心的な役割を果たすことで知られ、HCV治療の有望な標的と長い間考えられてきました。 
カナダ、ベーリンガーインハイムのラマーレ博士らは、NS3タンパク分解酵素に対する特異的で強力な阻害薬を開発し、その安全性と有効性を臨床実験によって証明されました。
HCV感染患者にこの薬剤を経口投与したところ、血中のウイルス量は急激に著しく減少しました。
しかし、投与終了後にウイルス量は数日で元にもどりました。
また、健康な人に経口投与しても、副作用はあらわれませんでした。
これにより、NS3タンパク分解酵素阻害薬は、ヒトにおいて強い抗HCV作用をもつことが明らかになりました。 
新薬の作用に持続性をもたせることができれば、HCV感染症治療の大きな進歩となる、と博士らはのべています。
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